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移行後、すべてのコアサービスで高い稼働率を維持しています。OceanBaseのマルチゾーンアクティブ設計により、単一障害点が存在しない構成を実現しています。

Tan Zher Shin

TNG Digital Site Reliability Engineering責任者

TNG Digitalは、東南アジアフィンテック企業の一つであり、TNG eWalletの運営会社です。TNG eWalletは、交通機関、小売店、中小加盟店でのQRコード決済を中心とした決済ソリューションとしてスタートしました。現在では、決済、金融サービス、生活サービスを1つの信頼できるアプリに統合した金融・ライフスタイルプラットフォームへと進化しています。2018年以降、ユーザー数は10倍以上に拡大し、2025年には人口3,300万人の国で2,500万人の認証済みユーザーにサービスを提供しており、地域のデジタル決済インフラを支える重要な存在となっています。

事業拡大に伴い、データ基盤への要求も急速に高まりました。TNG Digitalでは、同時接続が高い決済トラフィックに耐え、頻繁な変更時の運用リスクを抑え、クラウドをまたいだ一貫した運用体験を提供できるデータベース基盤が求められていました。コア決済データをOceanBaseへ移行した結果、TNG Digitalは「ダウンタイムの危機」から脱却し、99.99%の高可用性、スループット40%向上、ストレージコストを5分の1に削減することに成功しました。

課題

2018年以降、TNG Digitalのユーザー基盤は10倍以上に成長しましたが、決済プラットフォームを支えるMySQLベースのデータベースは、その急速な成長に追いつけず、いくつかの主要な課題が明らかになっていました。

  • トラフィックスパイクによるシステム負荷の増大。通常の昼間ピークには対応できていたものの、政府補助金の一斉給付のように数百万人規模の同時アクセスが発生すると、既存のMySQLアーキテクチャは限界に達していました。6年前の同様のイベントでも、データ不整合の原因はDB層のボトルネックにあると特定されており、サーバー資源に余力があるにもかかわらず、スループットは伸び悩んでいました。
  • スキーマ変更による業務停止リスク。決済機能改善のため、DDL(テーブル構造などの変更操作)を頻繁に実施する必要がありました。しかし既存環境では、変更のたびに本番停止のリスクが発生し、機能リリースと稼働率の維持という二者択一を迫られていました。
  • マルチクラウド拡張の制約。Alibaba Cloudから事業を開始し、事業拡大に伴いAzureやAWSへの拡張を試みましたが、MySQL環境ではクラウド間で運用を標準化できず、ベンダーロックインの懸念や地域展開の遅延を招いていました。
  • コスト増と性能の伸び悩み。データの急増によりストレージ・インフラ費用は上昇する一方、同一ハードウェアでの処理性能は取引量に追いつかず、CTOのLeslie Lip氏は「年2〜3倍の事業成長下でスケーラビリティの罠に陥っていた」と述べています。

「成長指標の裏側では、常に課題との闘いが続いていました。必要だったのは、平常時のトラフィックを処理するだけでなく、突発的な負荷にも耐えられるデータ基盤です」

Leslie Lip

TNG Digital CTO

解決策

OceanBaseの分散アーキテクチャは、複数クラウド環境で極めて高い信頼性のある構成により、TNG Digitalの課題を1つずつ解決しました。

  • 高負荷環境でもサービスを止めずにDDLを実現。
    POC期間中、従来の障害要因となっていたDDLを40,000トランザクション/秒(TPS)の継続負荷下で実行。サービス中断ゼロ・性能劣化ゼロを確認し、機能開発速度とシステム安定性のトレードオフを解消しました。
  • 弾性スケーリングで突発負荷を吸収。
    OceanBaseのshared-nothing型分散アーキテクチャにより線形拡張が可能となり、アプリケーション改修なしで必要時に容量を拡張。通常のピーク負荷から、政府給付時の突発スパイクまで対応可能となりました。
  • マルチクラウド環境を統合的に運用し、ベンダーロックインを回避。
    OceanBaseの内蔵互換レイヤーにより、AWSをはじめとするあらゆる環境で一貫した導入・運用体験を実現します。基盤が変わっても、性能や監査、運用手順を統合的に管理できるため、安心してご利用いただけます。
  • 5倍圧縮と40%の性能向上でコストと性能を両立。
    LSM-treeベースの圧縮エンジンによりデータ量を5分の1に削減し、ストレージコストを大幅圧縮。分散実行エンジンにより、同一ハードウェアでスループット40%向上を達成しました。
  • 高いMySQL互換性で移行期間を短縮。
    構文、ドライバ、アプリケーション挙動まで広く対応しており、開発チームの再教育は不要。実装スケジュールを大幅に短縮できます。

「OceanBaseは単なるデータベースではなく、企業の成長とともに進化できる技術基盤です。」

Leslie Lip

TNG Digital CTO

導入効果

OceanBase導入後、TNG Digitalの中核決済基盤は、信頼性・性能・運用の俊敏性において明確な改善を実現しました。

  • 可用性99.99%、インシデントゼロを達成。従来は大規模トラフィックイベントごとに障害リスクが存在していましたが、OceanBaseにより大幅に改善しました。政府補助金の給付時や季節的な需要ピーク時でも、安定した運用を継続しています。
  • 同一ハードウェアでスループット40%向上。TNG Digitalは追加のインフラ投資なしで処理件数を大幅に拡大しました。さらにデータを5分の1に圧縮することで、データレイヤーは単なるコスト要因から利益を生み出す推進力へと変わりました。
  • 開発サイクルを高速化し、展開範囲も拡大。無停止DDLと一貫したマルチクラウド運用により、プロダクトチームやエンジニアリングチームは、メンテナンス時間を確保することなく、クラウド間の差異を意識せずに新機能をリリースできるようになりました。

まとめ

急成長するフィンテック企業にとって、データ基盤は単に取引を記録するだけでは不十分です。突発的な負荷にも耐え、継続的な変化に柔軟に対応しながら、運用の複雑さを増さずにさまざまな環境でスケールできることが求められます。

TNG DigitalによるOceanBaseの導入は、これらの要件を本番環境の決済シナリオで確実に満たせることを示しています。無停止運用、分散型スケーラビリティ、MySQL互換性、マルチクラウド環境でのデータ一貫性といった技術的優位性を、実際のビジネスニーズと結びつけることで、レジリエンスと成長を両立させる強固な基盤を構築しています。

今後、TNG DigitalとOceanBaseは、東南アジアでの事業拡大を見据え、低遅延かつ高い耐障害性を備えた決済アプリケーションの実現に向けて、キーバリューモデルの構築やクロスクラウド型Active-Activeアーキテクチャの領域でも協業を進めていきます。

今すぐOceanBaseで
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