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OceanBaseとのパートナーシップは、当社にとって大きな成果となっています。OceanBaseの最先端技術により、顧客データや取引情報のセキュリティと整合性を確実に守ることができ、今後の成長を支える堅牢な基盤を提供してくれています。

Greg Igaya

GCash テクノロジー担当副社長

GCashは、フィンテック企業Myntが運営するフィンテックアプリです。2004年のサービス開始以来、決済・送金をはじめとするモバイル中心の幅広い金融サービスを提供し、登録ユーザーは9,400万人を超えるフィンテックプラットフォームへ成長しています。

事業拡大に伴い、従来のMySQLベースのレガシーデータ基盤には大きな負荷がかかるようになりました。データ量の急増、ストレージコストの上昇、運用の複雑化、トラフィックスパイクへの脆弱性などにより、継続的な成長を効率的に支えることが難しい状況となっていました。こうした課題を解決するため、GCashは決済データ基盤のモダナイズにOceanBaseを採用しました。

OceanBaseの導入により、GCashは数百に及ぶ従来のMySQLインスタンスを少数の分散クラスタに統合し、ストレージ使用量を削減、運用効率を向上させるとともに、重要な決済サービスの高可用性を確保しました。

課題

2020年末時点で、GCashのデータ量は月間約10%のペースで増加しており、決済プラットフォームを支えるMySQLベースのクラウドデータベースは、将来的な拡張性の面で課題を抱えていました。

また、DBAチームは数百におよぶMySQLインスタンスの運用管理を担っており、データのシャーディング、表領域の再編成、不要データのクリーンアップなど、日常的な保守業務に多くの工数を要していました。こうした対応を継続しても、根本的なスケーラビリティの課題を解消するには限界がありました。

インフラ費と運用コストの増大

GCashは1日あたり100万件を超えるトランザクションを処理する一方で、既存環境におけるデータ量は毎月約10%のペースで増加していました。

さらに、利用していたクラウド版のMySQLの仕様上、ストレージ容量のみを増やしたい場合でも、CPUを含むインスタンス全体のスペックを引き上げる必要があるケースが多く、必要以上のコンピューティングリソースを確保せざるを得ない状況が発生していました。その結果、リソース利用の最適化が難しく、インフラコストの増加が継続的な課題となっていました。

アーキテクチャ上の制約による可用性の懸念

データ量の増加に伴い、既存のMySQLベースのアーキテクチャが抱える弱点が顕在化してきました。特に影響が大きかったのが、中核となる決済・トランザクションシステムです。サービス規模が小さい段階では運用面の工夫で安定性を保つことができましたが、プラットフォームの急成長により、継続的かつ安定したサービス提供を実現するためには、アーキテクチャ自体の抜本的な見直しが不可欠となりました。

急激なトラフィック増加への対応力

GCashの決済システムでは、わずか数ミリ秒の間に数千件規模のSQLリクエストが集中するトラフィックスパイクが日常的に発生していました。しかし、従来のMySQLクラスターには接続数の上限や高並列処理への制約があり、急激なアクセス増加時に十分な性能をいかに確保することが大きな課題となっていました。特に決済システムでは、データベースのわずかな応答遅延でもエンドユーザーの利用体験に直接影響するため、より安定した高性能な基盤が求められていました。

解決策

GCashがOceanBaseを選んだ理由は、分散スケーラビリティの高さ、高いMySQL互換性、テナント単位での統合管理、そしてマルチゾーンによる高可用性を、単一のデータベースで実現できる点にあります。OceanBaseはGCashと連携し、移行・統合・耐障害性の強化を中心にシステム改革を推進しました。

無停止での移行とデータ圧縮

OceanBaseは独自のOceanBase Migration Service(OMS)を活用し、既存のデータベースから新しい環境へのスムーズな移行を支援しました。増分データの同期とアプリケーションの接続先切り替えを組み合わせることで、ダウンタイムゼロでの移行を実現しています。さらに、LSM-treeベースのストレージエンジンにより、移行データにはロスレス圧縮が適用され、従来のMySQLと比較してデータ容量を約10分の1に削減しました。

マルチテナントによる統合管理

OceanBase Cloudのマルチテナント機能により、数百のMySQLインスタンスを約10個のOceanBaseクラスタに集約しました。リソースのプール化を実現しつつ、コア業務系と一般業務系のワークロードをクラスタ単位で分離しているため、一部クラスタで障害や負荷が発生しても、システム全体への影響を最小化できます。

3ゾーンによる高可用性アーキテクチャ

OceanBaseは3ゾーンの高可用性(HA)構成を採用し、決済サービスの耐障害性を強化しました。これにより、1つのゾーンで障害が発生しても、サービスは継続します。

また移行後は、単一ノードあたりの接続処理能力が従来のMySQL比で約5〜8倍に向上。マルチノードクラスタ化により、突発的なトラフィックス増加にも高い耐性を発揮します。

成果

OceanBase Cloudへの移行後、GCashはコスト、運用の簡素化、耐障害性で大きな成果を挙げることができました。

  • 40%のコスト削減。OceanBaseのLSM-tree圧縮により、各データベースの容量を従来のMySQL比で約10分の1まで削減しました。このストレージの大幅な削減により、CPU性能に依存して拡張せざるを得なかった従来の非効率なスケーリングモデルから脱却し、年間データベースリソースコストの40%削減を実現しました。
  • データノード数を80%削減し、運用を大幅簡素化。数百のMySQLインスタンスを約10個のOceanBaseクラスタへ統合したことで、ノード数を80%削減しました。OceanBase Cloud Platform(OCP)が提供するオンラインDDL操作やインテリジェント診断機能により、これまでDBAチームが時間を割かれていた手作業によるシャーディング管理や表領域管理から解放されました。
  • データ損失ゼロの災害対策。3ゾーンHA構成により、RPOゼロ、RTO 30秒未満を達成し、業界に求められる継続性基準を満たしました。ノードあたりの接続処理能力は5〜8倍に向上し、高負荷時の不安定さを解消します。ピークトラフィック時においてもシームレスなユーザー体験を維持しています。

まとめ

GCashは主要なフィンテックプラットフォームの一つへと成長する中で、レガシーなMySQL基盤の限界が顕在化していました。データ量の増加、コスト上昇、運用の複雑化に加え、トラフィックスパイクへの脆弱性もあり、従来の段階的な対応だけでは十分に対処できない状況に直面していました。

OceanBaseの導入により、GCashは運用上の回避策に依存した拡張から、耐障害性に優れた分散アーキテクチャによる本質的なスケーリングへと移行しました。データベースインスタンスの統合、ストレージ負荷の削減、高可用性の強化を通じて、高同時接続の決済シナリオにおいて将来の成長を支える強固な基盤を確立しています。

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