ネット保険クラウド業務システムの分散アーキテクチャへのグレードアップ

  • 3400件/分の驚異的な速度で保険契約処理

  • 処理能力が

    1000倍向上

  • 新品アップロード速度が

    80%アップ

  • 外部チャンネルアクセス率が

    6倍に上昇

中国人民保険集団股份有限公司(PICC)は、過去70年の発展を経て、総合的な保険金融集団となり、その傘下には10社余りの専門の子会社を擁し、業務範囲も財産保険、人身傷害保険、再保険、資産管理、不動産投資やオルタナティブ投資、フィンテックなどの分野に及んでいます。2012年12月7日にPICCは香港証券取引所にH株上場を果たしました。2018年11月16日にPICCは上海証券取引所にA株市場に上場を果たし、中国で5番目となる「A+H」株上場の保険会社となりました。2008年北京オリンピック大会をサポートした後、2019年12月にも2022年北京冬季オリンピックおよびパラリンピック大会の公式パートナーとなり、「2つのオリンピック大会をサポートする」保険会社となっています。

「OceanBaseデータベースシステムは、Ant GroupのW11セールやネット金融業務における実運用での検証を経ており、業界で最も成熟し、安定した金融業界基準の分散データベースの一つです。中国人民保険集団股份有限公司(以下「PICC」)のネット保険クラウドコア業務システムのデータベースとして、OceanBaseはその卓越した性能と豊富な機能で安定したデータベースサポートを提供しています。弊社のネット保険業務処理速度は以前の5秒で1件から現在の1秒あたり1000件以上へと向上しました。また、OceanBaseの高い可用性、高い信頼性、直線的スケーリングなどの分散型の特徴も、弊社が大々的にネット保険業務を発展させる上で有力な支えとなっています。OceanBaseが機能と性能の両面で進化を続け、新たな高みへ挑み続けることを期待しています。」

お客様の声

背景

健康保険の既存のアーキテクチャではネット業務の急速な発展に対応することはできず、分散アーキテクチャへの改造を全面的に実施して業務の発展ニーズに適応していく必要があります。

お客様の課題

  • データ爆発と並列処理ニーズに応えられない集中型アーキテクチャ
    • PICCの健康保険ネットプロジェクトは1年間の運用を経て、データ量はすでに100GB、10億件を超えています。プロジェクトの進展に伴いデータは急速に増加しており、既存の集中型アーキテクチャでは、膨大なデータの保存や高い並列処理のニーズに対応することが困難になっています。
  • ユーザーエクスペリエンスの高度化に、従来型アーキテクチャは限界
    • 業務システムの面では、従来の集中型アーキテクチャにおいて、保険契約処理に時間がかかる、新商品のリリースに時間を要する、サービスの応答が遅い、顧客体験が低下するといった課題が存在しています。
    • たとえば、夜間のバッチ処理では、従来の方式では処理に非常に長い時間がかかるのが現状です。

ソリューション

  • OceanBaseのネイティブ分散データベース+SOFA分散ミドルウェア
    • OceanBaseのネイティブ分散データベースとSOFA分散ミドルウェアを採用し、データベースは6台のQ41物理マシンと3台のQ46物理マシンで構成されています。これにより、高並列な保険契約処理における速度低下の課題を解決し、現在では1日あたりの平均契約処理件数は約15万件に達しています。
  • 大規模な計算負荷の下でも高性能を発揮
    • PICCのネット業務シナリオは、クエリの複雑さ、テーブル間の関連の多さ、個々のトランザクションにおけるデータ量の大きさといった特徴があります。OceanBaseはこのような大規模な計算負荷の下でも高い性能を発揮し、複雑なクエリ(JOINやUNION)にも対応可能です。
  • ネット業務に安定したサポートを提供
    • OceanBaseは高い可用性、高い信頼性、直線的スケーリングなどの分散型の特徴は、PICCのネット業務の急速な成長に安定したデータベースサポートを提供し、ネット保険業務を大々的に発展させる上で有力な支えとなっています。

適用シナリオ

健康保険のネット業務シナリオにおいては、複雑なクエリ、テーブル関連が多い、個別のトランザクション処理データ量が大きいといった特徴があります。2018年4月11日にPICCの健康保険である「好医保(Haoyibao)」製品がローンチしてから現在までのところ、好医保(Haoyibao)はAlipayで人気の保険商品となっています。OceanBaseはPICCの健康保険に導入して以来、顕著な収益を上げています。

効果

  • 業務効率の向上
    • OceanBaseを中核とした新しいアーキテクチャにより、日常の契約処理速度は毎分約3,400件に達しています。さらに、従来の夜間一括バッチ処理を複数回に分割して実行する方式に変更し、1回あたりのバッチ処理時間を数時間から十数分に短縮しました。また、複数のプロトコル変換と標準化された連携フローを採用することで、外部チャネルの接続効率を6倍に向上させ、第三者事業の迅速な拡大を効果的に支援しています。
  • 業務のアジリティの向上
    • 業務のアジリティが大幅に向上し、インターネット製品の迅速なイノベーションと繰り返し開発を効果的に支えています。新製品のリリース時間は従来の数週間から数日に短縮され、80%以上の大幅な短縮を実現しました。
  • システム性能の向上
    • 処理能力が千倍に向上し、ビジネスの状況に応じて動的にスケーリングすることが可能になりました。2018年シリーズの好医保(Haoyibao)入院保険では、毎日1万件の日次バッチファイルに対し、処理速度が以前の4時間から6分に短縮されました。

 

 

 

OceanBaseを使い始める