次世代分散システムで海底撈の成長を支えるOB Cloudの取り組み

  • データベース全体のリソースコストを

    50%削減

  • 休日のトラフィック急増時にも安定稼働を実現

  • リアルタイム分析と計算性能が

    45%向上

海底撈国際ホールディングス有限公司(以下「海底撈」)は、1994年にブランドを創設し、2018年に香港証券取引所メインボードに上場しました。年間売上は100億元を超え、『フォーチュン』中国500強にも選出されており、中国で最も高い時価総額を誇るレストランチェーン上場企業です。 また、「ブランド価値ランキングのオスカー」と称されるBrandZが発表した「2022年BrandZ™最も価値のある中国ブランド100選」では、第60位にランクインし、レジャー外食業界から唯一選ばれたブランドとなりました。

背景

2018年、海底撈(ハイディラオ)火鍋はオンラインコアビジネスを段階的にクラウドに移行することを決定しました。また同じ年に、北京で国内初となるオフラインのスマートレストランをオープンし、オンラインとオフラインのデジタルトランスフォーメーションを本格的に始動しました。海底撈はこれまでに比較的成熟したデジタルシステムを構築し、段階的にきめ細やかなデジタル管理を進めてきました。しかし、消費動向の変化に伴い、デジタル化に関する新たな課題に直面するようになりました。データ量は爆発的に増加し、データベースの拡張性、サービスの継続性、応答速度などへの要求がますます高まったことで、基盤となるデータベースのアップグレードが急務となっていました。

お客様の課題

  • ビジネスの急速な拡大によるコストの上昇
    • 従来のシャーディングアーキテクチャでは、トラフィック急増後にタイムリーなスケールダウンができず、リソースの無駄遣いを引き起こしていたのです。また、飲食業界におけるデジタルトランスフォーメーションの加速が求められる中、海底撈にとっては、「顧客体験を損なわず」「運用管理機能の品質を維持しながら」コスト削減を実現することが、新たな重要課題となっていました。
  • ビジネスのピーク時のサービス継続性
    • 従来のソリューションでは、MySQLシャーディングストラクチャが採用されていましたが、構造が複雑で安定性に問題がありました。トラフィックが急増すると、メンバーシップシステムやキューイングシステムに大きな負荷がかかるため、ピーク時にデータベースに障害が発生し、ビジネスに影響が出たこともあります。
  • リアルタイム分析機能に基づくスマートレコメンデーション
    • 顧客一人ひとりの嗜好や好みをリアルタイムで分析し、パーソナライズされたスマートレコメンデーションを提供するには、より安定したリアルタイムOLAP(オンライン分析処理)機能が不可欠です。しかし、既存のアーキテクチャは構造が複雑で同期に遅延が発生しやすく、リアルタイム性が確保できない上、ストレージコストも増大していました。

ソリューション

  • マルチテナントと高度な圧縮技術
    • 多様な技術を活用してコスト削減を実現しています。LSM-Treeによる高度な圧縮技術でストレージコストを削減し、マルチテナントの混在運用によってシステムリソースを最大限に活用。さらに、HTAPによる混合ワークロード処理によってデータの重複を抑え、追加のデータウェアハウス導入コストも削減しています。
  • マルチレベルのスケーリング
    • OceanBaseは、シェアードナッシング(Shared-Nothing)型のマルチレプリカアーキテクチャを採用しており、単一障害点がなく、高い可用性と継続性を実現します。特にトラフィック急増時には、テナント単位やクラスタ単位で柔軟にスケーリングできるため、従来のシャーディング方式に見られるスケーラビリティや信頼性の課題を解消。海底撈のシステム安定性とサービス継続性を強力に支えています。
  • HTAP混合ワークロード
    • OceanBaseのHTAP混合ワークロード機能により、1つの計算エンジンでOLTPとOLAPの処理を複数ノードで同時に実行できるため、データ同期による遅延を解消し、リアルタイム分析を実現します。
    • 例えばメンバーランクの処理では、従来はデータをデータベースから抽出し、ETL経由でデータウェアハウスに取り込み、バッチ処理後に結果を再同期する必要がありました。現在は、これらすべての処理がOceanBase上で一括して完結できます。

効果

  • データベース全体のリソースコストを50%削減
    • 海底撈では、データベース全体のコストを50%削減しながら、サービス性能を維持したままサーバーの利用効率を最大化。本質的なコスト削減と運用効率の向上を実現しました。
  • 休日のトラフィック急増時にも安定したサポートを提供
    • データベースのパフォーマンスと安定性が大幅に向上し、エラスティックなスケーリング機能により「七夕祭り」など大規模なプロモーションもスムーズに実施可能となりました。これにより、ビジネスの継続性が確保され、24時間365日体制で安定したサービスを提供しています。また、RPO=0・RPTO30秒未満というディザスタリカバリ目標も達成。OceanBaseと共同構築した分散型メンバーシップシステムは、現在までに600日以上の安定稼働を続けています。
  • リアルタイム分析能力が45%向上
    • 1つのデータから2つのメリットを実現しています。アーキテクチャの簡素化によってコストを削減しつつ、HTAP混合ワークロード機能により、システムのリアルタイム分析能力は45%向上しました。これにより、安定したスマートレコメンデーションが可能となり、顧客一人ひとりの嗜好や好みに合わせた「千人千色」のパーソナライズをリアルタイムで実現しています。
    • 安定性の高いデータベース基盤に支えられ、海底撈はクラウドへの移行を通じてデジタル化を加速。将来の成長に向けた基盤も整えました。特にメンバーシップのデジタル化により、会員数は2021年6月の8,500万人から1億人超へと拡大。会員による売上は総売上の80%以上を占めるなど、持続的な成長を支えています。

 

 

 

OceanBaseを使い始める